同窓会マネジメントプラス

同窓会事業で募金を成功させるために必要な3つのポイント

2021年4月12日

旭出版の募金活動サポート

同窓会の周年事業・記念事業・母校支援事業の成功は、募金活動の成否にかかっていると言っても過言ではありません。だからこそ事務局や担当者にとって、最も悩ましい活動の1つでもあります。

一体どのような活動を行えば、募金ひいては同窓会事業を成功に導くことができるのでしょうか。

長年多くの同窓会事業とそれに伴う募金活動をサポートしてきた旭出版の経験を踏まえ、募金活動を成功に導くためのポイントとその具体的な内容について解説します。

募金成功のポイント

広く会員に募金してもらうための工夫や方法は同窓会ごとに様々ですが、どんな同窓会でも共通している重要なポイントは次の3点です。

  1. 広報活動で多くの会員に事業を周知する
  2. 積極的かつ充実した情報発信で会員の参加意欲を高める
  3. 会員が面倒と思わない、手間とならない入金の方法を用意する

並べると当たり前な内容ですが、これらを頭で理解できていても、実際に具体的な計画に落とし込み、実行し、結果を得るのはなかなか難しいものです。

例えば「頑張って広報活動をしているつもりだが、実際は広く会員に伝わっていない・・・」という悩みをお持ちの事務局は少なくありません。

また、やみくもに広報活動を行えばいいというものでもありません。その方法はもちろん、媒体・期間・タイミングも重要な要素です。

では、具体的にどのような活動をどんな媒体でどのタイミングで行えばよいのでしょうか?
ここでは、母校創立〇周年などの「周年事業」を例に具体的に解説します。

 

周知のためのインフラ作り

まずは事業内容を広く会員に周知することから始まります。そのためには、周知を行うためのインフラ・基盤を整えておく必要があります。
また、周知方法は1つだけでなく、できるだけ複数の媒体で行うことで、会員の目に触れる機会を増やします。

ホームページでの告知だけでは不十分・SNSも活用を

近年では、ほとんどの同窓会が広報活動の一環として公式ホームページを開設しています。
ホームページはテキストだけでなく画像や動画など多くの情報をリアルタイムに掲載することができるため、普段から積極的な活用を行う事務局も少なくありません。もちろん、周年事業と募金に関する告知についても活用が期待される媒体です。

しかし実際には、ホームページ上だけの告知では不十分です。なぜなら、ホームページは会員がアクセスしてこない限り閲覧されることはない「受け身」な媒体。ホームページに情報を載せただけでは、会員に広く周知することはできません。

そこでポイントとなるのは、SNSの活用。SNSにも積極的に投稿し、その投稿からホームページの告知ページへと会員を誘導するのです。

情報の拡散が期待できるSNSの活用は周知活動のカギ

情報の拡散が期待できるSNSの活用は周知活動のカギ

ただ、SNSと一言で言ってもTwitter・Facebook・Instagram等いろいろなサービスがあり、サービスによってユーザー層や訴求効果が異なるので、自同窓会の会員の特性なども考慮し、どのSNSが広報活動に適しているか十分分析して選択する必要があります。場合によってはSNSの有料広告を行うことも検討に入れてもいいでしょう。

会員の特性に合ったSNSを選択することが重要

会員の特性に合ったSNSを選択することが重要

郵送による告知は必須

従来の郵送による告知は古いやり方と思われがちですが、募金においては非常に効果的な方法です。
なぜなら、会員の中でも特に母校に対して帰属意識の高い、つまり募金を行う可能性の高い層は、郵送で直接届く記念会報や趣意書を受け取ることによって当事者意識が増し、「募金することで記念事業に参加する」意欲につながるからです。払込用紙を同封しておけば、募金行動につながる可能性はさらに高まります。

そのためにはまず住所不明会員を減らすことが不可欠。募金や事業の前から定期的に同窓会の名簿情報をメンテナンスしおくことが重要です。

郵送による告知が有効な会員も多い

郵送による告知が有効な会員も多い

 

このように募金活動は、周知の環境さえ整えば効率的に行うことができます。

 

会員の参加意欲を高める広報活動を

上記でも少し触れましたが、会員には「母校の記念事業のために寄付をする」ではなく、「寄付を通じて母校の記念事業に参加している」という意識を持ってもらうことが、募金行動へつなげるためのポイントになります。

募金告知は複数回にわたり行うのが鉄則

会員の参加意欲を促すためには、同窓会から記念事業の趣旨と内容を積極的に発信し、会員に理解・賛同を得られるよう広報活動を行う必要があります。
さらに、これらの広報は1度きりではなく、必ず複数のタイミングで行いましょう。2回目以降は、初回の内容に加えて事業の進捗状況・募金活動の推移なども会員へ伝えます。すでに募金した寄付者芳名録の掲載も有効な方法の1つでしょう。

趣意書はできるだけ具体的に

趣意書には、集めた募金でどんな事業を行う予定か、可能な限り具体的に記載します。
例えば、会館を建設するのであれば、会館のイメージ図を、設備を提供するのであれば、その設備によって現役生たちにどのような恩恵があるのか、説明文に加えて写真やイラスト・図などを掲載します。
会員に向けて事業内容を具体的にプレゼンすることで、「卒業生としてこの環境を現役生に提供してあげたい」と当事者意識がグッと高まり、募金という行動につながりやすくなります。

会員自身が母校にどんな貢献ができるのか、具体的にイメージさせることがポイント

会員自身が母校にどんな貢献ができるのか、具体的にイメージさせることがポイント

 

会員が入金しやすい方法を用意する

一口単価は「5,000円」が効果的

当社での統計上、会員が募金しやすい一口の単価額は「5,000円」

10,000円に設定すると募金率が低下し、3,000円に設定すると5,000円の場合と口数が変わらないため、募金総額が少なくなってしまいます。

一口いくらといった定額制を設けない募金もありますが、同窓会事業はほとんどの場合、目標金額が設定されており、また募集期間も限られているため、定額制にした方が活動を計画実行しやすいでしょう。また会員にとっても、定額制であれば募金の相場を悩む必要がなくなります。

募金の方法に電子マネーやネットバンキングも

最近、普及している電子マネーネットバンキングによる募金も受け付けることで、若年層の会員も募金しやすい環境を作ることができます。

ただし、電子マネー・ネットバンキングなど、従来の払込用紙以外の方法を複数設けると、それだけ管理業務が煩雑になります。入金情報のデータ化を外注するなど、事務局で対応できる体制を整えることも重要になります。

会員が入金しやすい手段を複数用意する

会員が入金しやすい手段を複数用意する

募金者への追加募金のお願い

募金はする人としない人にはっきりと分かれます。

1~2回目の募金案内で入金してくださった会員に、3回目以降もあえて再度募金のお願いをすることは有効な手段です。

 

普段の会員とのコミュニケーションの充実が成否を分ける

いかがでしたでしょうか。
同窓会事業の成功は同窓会の存在意義そのものと言えるだけあって、事務局としては必ず成功させなければなりません。
一方で、めまぐるしく変化する昨今の社会状況の中において、数十年前の「前回の成功例」をそのまま踏襲しても成功は難しいでしょう。

募金の成功のポイントは前述の通りですが、何よりも普段からの同窓会と会員のコミュニケーションが充実しているかどうかが大きく影響します。
周年事業のときだけ、募金のときだけ、広報活動を行っても広く会員に周知することは難しく、訴求効果は上がりません。

普段から定期的に会員に向け情報を発信すること、そして住所等の会員情報を常に最新の状態にしておくこと。この基本的な姿勢の有無が、来る周年事業の成否を決めることになります。

参考
同窓会会員の年代別特徴を押さえて効果的な事業告知と住所調査を

同窓会における活動や事業を成功させるためには、多くの会員の協力が欠かせません。 年次活動や周年記念事業への参加や寄付、母校への寄付、同窓会名簿の発刊販売など、できるだけ多くの会員に参加してもらうことが ...


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