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「〇回卒」ではわからない?会員目線の表記でわかりやすい情報発信を

2021年8月18日

「〇回卒」ではわからない?会員目線の表記でわかりやすい情報発信を

同窓会の会報や公式サイトまたはSNSなどで、

「57会(同期会の名称)の田中です」
「山田太郎さん(30卒)」

といった表現を使っていませんか?

この「57会」「30卒」などの卒業回や卒業年を表す表現。文字数を抑えるために簡単に略して済ませてしまいがちですが・・・。
実はこういう書き方、多くの会員が読んでも「ピンとこない」「よくわからない」と感じているんです。

こういった会員の「よくわからない」を放っておくと、会員とのコミュニケーションがスムーズに進まなくなるだけでなく、会員の母校や同窓会に対する帰属意識にも影響を与えてしまうことに。

とは言え、ちょっとした配慮をするだけで、久しぶりに同窓会の情報に触れる会員にも分かりやすく、同窓会の情報をもっと身近に感じてもらえるよう表現することは簡単です。
本記事ではその方法についてご紹介。さらに卒業回早見表を手軽に作れるテンプレート(Excelファイル)もダウンロード可能です。

卒業回や卒業年がわかりにくいと「同窓会離れ」につながる

会員の「卒業回や卒業年の表記がよくわからない」問題。
事務局スタッフや同窓会活動に積極的に参加する会員からすれば、これらの表記は当たり前で簡単なこと。
しかし、たまに同窓会の情報に触れる程度の会員にとっては「何回卒?それとも何年卒?和暦?西暦?」と迷ってしまい、正しく読み取ることが難しいのが実情です。

「それくらいのこと」と思わないでください。
この状態を放置しておくと、後々の同窓会事業に支障をきたす可能性も出てきます。

例えば、募金事業。
寄付の案内に「銀行振込の場合、振込依頼人名に卒業回と氏名を入力してください」と記載した場合、自分の卒業回が分からない会員は寄付をしにくくなってしまい、寄付率に影響が出てしまいます。

また、会員情報の変更等で本人確認が必要な場合に、電話やインターネットフォームで卒業回の入力を求められても「分からないから」と情報の提供を諦め、そのまま住所不明者となってしまうケースも。

さらに会員の母校や同窓会に対する帰属意識にも影響を与える可能性もあります。

卒業して数十年、久しぶりに同窓会の会報や公式サイトに目を通してみようと思っても、そこで話題になっている同窓生が先輩なのか後輩なのか同級なのか分からない。せっかく読んでも「ついていけない」「おいてけぼり」といった疎外感を感じてしまうことになりかねません。

逆を言えば、卒業回や卒業年の表記が分かりやすいようフォローできていれば、こういった会員の事業参加率の低下、つまり同窓会離れを防ぐ一策になり得ます。

何をどうフォローすればよいのか。難しくはありません。
次章では卒業回や卒業年の表記を読み取ることが難しい理由とフォローすべき点について見ていきましょう。

 

卒業回や卒業年を読み取ることが難しい理由

前述の通り、たまに同窓会の情報に触れる程度の会員にとって、卒業回や卒業年の表記の意味を読み取るのは簡単ではありません。読み取りが難しい主な理由は2つあります。

1.数字が何を意味するのかがわからない

冒頭で例に挙げた「57会(同期会の名称)の田中さん」の場合、表記の意味がよく分からない会員は次のように推測します。

  • 昭和57年3月卒の会の田中さん
  • 昭和57年度卒の会の田中さん
  • 1957年3月卒の会の田中さん
  • 1957年度卒の会の田中さん
  • 57回卒の会の田中さん

「57」が何を指すのかがわからず、それぞれ全く異なる読み取り方になってしまいます。そしてここまで推測しても、どれが正解かは分かりません。

「山田太郎さん(30卒)」の場合も同様です。

  • 昭和30年3月卒の山田太郎さん
  • 昭和30年度卒の山田太郎さん
  • 平成30年3月卒の山田太郎さん
  • 平成30年度卒の山田太郎さん
  • 30回卒の山田太郎さん

顔写真などがあれば、その外見からある程度予測することはできます。それでも「30」という数字が、卒業なのか卒業なのかは判断できません。

「何回卒?何年卒?」数字の意味を読み取ることは難しい
「何回卒?何年卒?」数字の意味を読み取ることは難しい

2.卒業回が分からない

さらに同窓会と接する機会の少ない会員は、「自分が何回卒か」分からないことがほとんどです。自分が何回卒かを知る機会、調べる方法が少ないため、多くの会員がずっとあやふやなまま。
そして現在、同窓会会員に何回卒までいるのかもよく分かっていないため、卒業回で表現されても「よくわからない」と感じてしまいます。

 

これらの問題を解決するためには、「書いてある数字は何を表すのかを説明する」そして「卒業回を確認する方法を提供する」ことが必要になります。

 

数字は何を表すのかを説明する

一目見て数字の意味がわかる表記が理想

全ての会員が一目見て理解できる表記は「S60年度卒」「S61年3月卒」または「1985年度卒」といった、和暦または西暦そして卒業年度(〇年度卒)か暦年(〇年3月卒)かが判別できる表記です。
自身の卒業回を知らない会員でも卒業した年はだいたい覚えていますので、この表記法であれが読み取ることができます。
しかし一方で、「S60年度卒」や「S61年3月卒」では字数が多すぎて会報などのレイアウトに支障が出るという場合もあります。

省略する場合は説明を

分かりやすい表記法だと文字数が多すぎる。そういった場合は省略表記とします。
ただし、省略表記の意味する内容についての説明を明記しておきましょう。会報であれば会報内の分かりやすいところに掲載します。

省略表記の説明の例

『※文中「61卒」といった数字は「和暦(この場合は昭和)61年3月卒」を、「61会」は「和暦(この場合は昭和)61年3月卒の会」意味します。』

省略表記は他のメディアでも統一したものを

前項のような「61卒」といった省略表記を使用する場合は、会報だけでなく、できるだけ同窓会公式サイトやSNSなどでも統一するようにしましょう。(サイトやSNSにも省略表記の説明を掲載します)
また、公式サイトの掲示板や公式SNSページなど 会員が自由に投稿できるメディアがある場合は、会員にもこの表記方法に従い投稿してもらうよう、投稿ガイドラインを掲載しましょう。

公式サイトやSNSでも統一した省略表記を
公式サイトやSNSでも統一した省略表記を

必ず卒業回早見表を公開する

同窓会によっては、卒業年ではなく卒業回の表記で統一しているという会も多くあります。特に長い歴史を持つ学校になると、和暦や西暦で表す方法よりも卒業回の方が分かりやすいということもあります。

卒業回の表記に統一する場合は、卒業年に対応する卒業回を一覧にした「卒業回早見表」を公式サイトに公開し、会員がいつでも自分の卒業回を確認できる状態にしておきましょう。
また、会報や公式サイトでも「本同窓会では、卒業回での表記に統一する」旨を明示します。

公式サイトに卒業回早見表を掲載する
公式サイトに卒業回早見表を掲載する(画像は旭出版作成の同窓会用サンプルサイトより)

常に「会員目線」を忘れずに

卒業回や卒業年。ちょっとしたことと思われがちですが、人と人の繋がりが大前提となる同窓会では肝心なポイントです。

「この人は同学年だ。そういえば・・・」
「この人は2学年上だから、直接会っているかも」
「大先輩にこんな方がいるとは」
「こんなに頑張っている後輩がいるんだな」
「息子と同じ学年のようだ」

卒業回や卒業年がわかれば、同窓会から発信される情報もより身近に感じることができ、母校に思いを馳せることもできます。

会報や公式サイト・SNSなどでは、会員の、それも同窓会から疎遠になってしまった会員や久しぶりに同窓会に興味を持った会員の視点に立つことを心がけて、情報を発信していきましょう。
その工夫が「同窓会離れ」を防ぐための一手となります。

「会員目線」の情報発信を
「会員目線」の情報発信を

卒業回早見表のテンプレート(Excelファイル)

卒業回早見表をすぐに作成できる卒業回早見表のテンプレート(Excelファイル)をご用意しました。

このテンプレートの使用手順は次の通りです。(説明画像はMicrosoft Office Home and Business 2019の画面です)

(1)卒業回が1回となる卒業年数を探します

例えば、昭和36年3月卒業の卒業生が「1回生」となる場合、昭和36年3月卒の行を探します。

(2) (1)で見つけた行の項目「数字入力」に「1」を入力します

例の場合は、昭和36年3月卒の行にある項目「数字入力」(オレンジ部分)のセルに「1」を入力します。「1」は半角数字で入力してください。

※オレンジ部分の項目には数式が設定されています。「1」を入力したセル以外は数式を削除しないようご注意ください。

(3) 自動で卒業回が表示されます

(2)で「1」を入力した行以降のセルに回が表示されます。


このテンプレートを作成した卒業回表をコピーして他へ貼り付ける場合は、貼り付けオプションで「数値」を選択して貼り付けすると簡単です。

公式サイトやSNSに自由にご利用ください。


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