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同窓会の「人材」を活かした母校支援・校内ボランティア:事例紹介

2021年6月4日

同窓会の「人材」で母校支援

多くの同窓会では、その目的に「母校の支援」「会員相互の親睦への寄与」「社会への貢献」等を挙げています。それぞれの目的を遂行するために、同窓会では継続的に事業を企画し推進していくことになります。

特に「母校支援」については、新校舎建設・奨学金など様々な事業に対して会員が寄付をするという支援が一般的です。こういった寄付による母校支援は事業化しやすく、会員の協力を得やすいこともあって、ほとんどの同窓会で行われています。

一方で、最近では寄付以外にも様々な形で母校支援事業を行う同窓会も増えています。
本記事ではその中でも、同窓会の会員という「人材」を活かした母校支援事業とその導入例について解説します。

同窓会の「人材」で母校支援

ここ数年、同窓会会員が母校でボランティア活動を行う-「人材」による母校支援を行う同窓会が増えています。

会員が行うボランティア活動の内容は多岐にわたります。

会員の職業・経験を活かした活動

  • 在校生に向けた講演会
  • 企業訪問・インターンシップ

会員の特技・知識を活かした活動

  • 部活動サポート
  • 図書館司書サポート

会員の時間を活かした活動

  • 校内環境整備・清掃作業の協力
  • 学校イベントサポート

一時的なサポート活動

  • オンライン授業のためのPC・タブレット等の利用サポート
  • 感染症対策の消毒作業

さらに実業系の高校(農業高校、工業高校、商業高校、水産高校等)であれば、会員による実技指導・職場体験など、より教育内容に近いサポートを行うこともできます。

同窓会会員はその学校にかつて通っていた卒業生であるため、学校の内情に詳しく、効率良い活動が期待できるでしょう。さらにボランティア活動を継続的に行う意志のある会員が多く、在校生にとっても心強いサポーターとなります。

学校側の要望を明確に

母校支援のためのボランティア会員を募る前に、学校側に「どんな助けが必要か」「何に困っているか」と丁寧にヒアリングすることが大切です。

例えば「サッカー部の活動を支援してほしい」というリクエストが学校側からあった場合、何を・どれくらいの人手で・どれくらいの頻度で支援してほしいのか、当事者に詳しくヒアリングし、できるだけ具体的な内容に落とし込みましょう。
要望が「備品の補修」であれば、年に1・2回程度の2~3時間、サッカー経験のないボランティアでも参加できます。また「サッカー部監督の補助」であれば、週に数回程度、2~3時間、サッカー経験のあるボランティアが必要であることが分かります。

学校とボランティア会員を適切にマッチングするために、求められる活動内容をできるだけ明確にしておくことがポイントです。

学校側の要望を丁寧にヒアリングして適切なマッチングを

学校側の要望を丁寧にヒアリングして適切なマッチングを

ボランティアの心構えを会員と共有する

「ボランティア」の本来の意味は『自らの意志で社会貢献活動に参加する人』。

「指示待ちで参加するだけ」という姿勢では学校の要望に応えるどころか、指示を出したり取りまとめたりと逆に学校側の負担になりかねません。学校職員・先生方の仕事が増えるようでは本末転倒です。

また活動において、その進め方ややり方を会員が一方的に押し付けるのも学校現場が混乱する原因となりかねません。在校生や先生にとって、大先輩である卒業生の声は大きく感じるもの。相手の立場になって考え行動することが、ボランティアには必要です。

「自らの意志で」「責任をもって」かつ「相手を尊重する」。
ボランティア活動を行う前に、ボランティアの心構えを事前に会員と共有しておきましょう。

ボランティア活動保険加入の検討も

活動内容によっては、ケガや事故の恐れがある場合も。ボランティア活動保険の加入も検討しましょう。

事例:笠岡高校同窓会[千鳥会]のケース

2022年に創立120周年を迎える岡山県立笠岡高校では、同窓会(千鳥会)と連携し「千鳥教育ボランティア登録制度」を設け、同窓生およびPTAのボランティアを募集しています。

事前登録制としてボランティアを募り学校側の要望とマッチング、原則ボランティア活動の内容を限定せず、同窓生の特技・得意分野を活かした活動を行う方針です。

ボランティア登録のための申込用紙には、ボランティア活動をしたい人にどのような特技・知識・得意分野があるかを問う内容になっていますが、母校に対してどのようなボランティア活動ができるのか、具体的で大変参考となる内容になっています。
ここに一部抜粋してご紹介します。

授業・キャリア教育関係のボランティア

  • 講話・講演会の講師、探究活動(地域学、テーマ探究)のアドバイザー、授業サポート、ゲストティーチャーができる。
  • 仕事内容について、生徒対象に話ができる。
  • 特定分野の専門知識・技術・特技・趣味を持っているので、生徒対象に話ができる。(例:金融・コンピュータ・経営・人事・教育・介護・医療・建築・商品開発 等)
  • 外国で生活したことなどがあるので生徒対象に国際文化やグローバル化に関する話ができる。
  • 上記に関して可能な知人がいるので紹介できる。
  • 親戚・知人に著名人がいるので、講演依頼に協力できる。
  • 企業訪問・インターンシップに協力できる。

部活動・学校図書館関係のボランティア

  • 特定分野の専門知識・技術・特技・趣味を持っているので部活動指導に協力できる。(例:料理・お菓子作り・芸術活動・文化活動・電気工作・スポーツ等)
  • トラックを持っているので部活動等で物品の運搬に協力できる。
  • 読書が好きなので、学校図書館業務に協力できる。

安全・学校環境関係のボランティア

  • 登下校に関する交通指導などの対応に協力できる。
  • 校内清掃、環境整備等、屋内での作業に協力できる。
  • 草刈り、樹木の剪定等、屋外の作業に協力できる。

参加型の母校支援で会員の帰属意識を高める

このような参加型の母校支援事業は、母校に直接貢献することはもちろん、将来の同窓会活発化にも資することになります。

同窓会会員がボランティア活動に継続的に参加することにより、母校そして同窓会への帰属意識が高まります。帰属意識の強い会員は、他の同窓会事業・活動の際にも積極的に参加することが期待できます。

また、在校生にも好影響をもたらします。卒業生が校内でボランティア活動-「顔の見える母校支援」を行うことで、在校生にとって同窓会が身近な存在に変わります。
ボランティア活動を行う先輩を手本に、自身も卒業後母校に貢献したいと同窓会への参加を後押しすることになるでしょう。

在校生にとっても同窓会が身近な存在に

在校生にとっても同窓会が身近な存在に

同窓会の「人材」による母校支援は、継続的に行うことができれば、会員だけでなく在校生も同窓会との関わり方を変えるきっかけとなり、同窓会にとって中長期的なメリットも有した事業となり得ます。従来の寄付型の母校支援と並行して事業を進めることで、より効果的な母校支援が実現できます。


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